スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブラックマヨネーズ 1

「ブラックマヨネーズ」は、ハゲでデブであるつっこみの小杉竜一と、肌がブツブツであるボケの吉田敬というコンビで、今現在では『次世代のダウンタウン』と評されるほどの実力を、全国的にもどの世代にも評価されている。
しかし、最近までは「M-1グランプリ」で優勝はしているのだが、そこまでの人気は無かったはずである。
では、なぜ今まで「ブラックマヨネーズ」はあまり評価されてこなかったのだろうか。
そして、どのようにして『次世代のダウンタウン』とまで評されるほどの実力を、全国的にもどの世代にも評価されるようになったのだろうか。

「ブラックマヨネーズ」は、2005年の「M-1グランプリ」で優勝するまでは大阪で活動していた。
大阪にいるときには、第23回「ABCお笑い新人グランプリ」新人賞、第37回「OBC上方漫才大賞」新人賞、第17回「NHK新人演芸大賞」演芸部門大賞、第32回「上方お笑い大賞」最優秀新人賞などの数々の賞を総なめにしている。
しかし大阪時代の「ブラックマヨネーズ」は、このように賞を総なめにした漫才ではなく、コンビでのフリートークの面白さが評価されている芸人だった。
ブラックマヨネーズの漫才とは、「M-1グランプリ」までは内容的にはオーソドックスなネタであり、他の芸人が披露しても普通に面白いと思ってしまうようなあまり個性のないネタだったのである。
オーソドックスであまり個性のない漫才だったからこそ「ブラックマヨネーズ」は、あまり笑いそのものがあまり変わっていない「大阪」という地域で行われていた漫才の大会で、賞を総なめにしていたのである。
そのオーソドックスな漫才で賞を取っていったために大阪では有名となり、ラジオの番組などが始まってコンビでのフリートークの面白さが評価されていったのである。

しかしフリートークの面白さは認められていてはいたが、マニアックなお笑いファンの人たちに人気があるだけであった。
なぜならその時のブラックマヨネーズは、小杉はまだ太ってもハゲてもいなかった。
その当時の小杉は少しハゲかけていたのではあるが、つっこみであるため必死になって男前になろうとしている感じがあった。
しかし同期には、「次長課長」や「チュートリアル」などの相方に本当に男前である芸人を持つコンビがいて、小杉はつっこみであるため必死になって男前になろうとしている感じがあったのにもかかわらず、男前であるという評価は全くといってされてこなかった。
そのためブラックマヨネーズは、一般の若い女性にはほとんどファンがいなくて、いたとしても同級生などに「なんでブラックマヨネーズなんかのファンなの?次長課長とかチュートリアルのほうがええやん」と言われてしまうため、隠れてファンになっている人が多かったのである。
これによってこっそりと応援ができるようにと、ブラックマヨネーズの公式グッズのクリアファイルには、2人の顔がファイルの内側に印刷されており、表面は黒字にロゴのみで、一見ブラックマヨネーズグッズとは分からないようになっていたりするほどであったのである。

こんなに外見的には全く人気の無い「ブラックマヨネーズ」ではあったが、「次長課長」や「チュートリアル」などの実力のあるコンビよりも、フリートークだけはとにかく評価されていた。
それはこのフリートークでは、吉田のやや屈折した世界観を持つ独特のボケに、小杉がハイテンションかつ言葉巧みに絶妙なツッコミを入れるという2人の個性を活かした面白さがあったからである。

そしてそのような状況に在った2005年頃に、吉田がある提案をした。
吉田は、「ラジオのフリートークのような漫才がやりたい」という提案をしたのである。
吉田自身も、漫才よりもフリートークのほうが、お互いの個性が活かされていて面白いという自己分析をしていたのである。
そして、今までの吉田が1人でネタを作るという方法は変えて、2人の前にボイスレコーダーを置き、その場の思いつきを会話形式で書き込んで漫才を作っていくという方法に変更したのだ。
これによって、吉田のやや屈折した世界観を持つ独特のボケに、小杉がハイテンションかつ言葉巧みに絶妙なツッコミを入れるという、今まではラジオのフリートークだけでしか伝えることの出来なかった2人の武器を活かした面白さが、漫才であっても表現できるようになったのである。
更にブラックマヨネーズは、この「フリートークのような漫才はリアルに表現しないといけない」という考えから、この漫才を披露するということを馴らせないために、舞台などではあまり披露するということはせずに、ある大きな舞台にこのフリートークのような漫才を披露することだけに焦点を絞ったのである。
その大きな舞台が、「M-1グランプリ」である。

よく吉田がバラエティー番組などで、「俺らはあの伝説の2005年M-1グランプリの優勝者ですよ?」などと冗談のように発言することがある。
それに対して小杉が、「まだM-1引きずっているのか」などとつっこまれて笑いにされてしまうが、本当にこの「2005年M-1グランプリ」とは記録に残る伝説の大会だったのである。
2001年優勝者は「中川家」、2002年は「ますだおかだ」、2003年は「フットボールアワー」、2004年は「アンタッチャブル」というメンバーが優勝していた。
これまでの「M-1グランプリ」の優勝者は、全て優勝候補と言われていたほど、元々他の番組などでは実力を認められてきた芸人たちなのである。
更に2005年の決勝戦には、「笑い飯」、「麒麟」、「品川庄司」、「南海キャンディーズ」などの優勝候補といわれていたメンバーの中で、ブラックマヨネーズは東京ではまったくの無名の存在であり、「M-1グランプリ」が行われていたスタジオ内では完全にアウェーであったのである。
しかし、そんな状況であっても「ブラックマヨネーズ」が優勝したのだ。
これによって「M-1グランプリ」という大会は、本当に実力のある芸人が優勝できる大会であるということが証明され、ここまで影響力のある大会へとなったきっかけとなったのである。
それを成し遂げたのは、吉田のやや屈折した世界観を持つ独特のボケに、小杉がハイテンションかつ言葉巧みに絶妙なツッコミを入れるという、お互いの武器を活かし、今までにないフリートークのような漫才を披露したからである。

しかし、2001年優勝者である「中川家」、2002年は「ますだおかだ」、2003年は「フットボールアワー」、2004年は「アンタッチャブル」という芸人たちは、この「M-1グランプリ」で優勝した後に、バラエティー番組で大活躍することになってはいたのであるが、「ブラックマヨネーズ」だけは2005年で伝説を作ったにもかかわらず、あまり人気にはならなかった。
それは2人のルックスに原因があったのである。
「ブラックマヨネーズ」は、どう考えてもルックス的に汚い芸人であった。
吉田はぶつぶつであるし、小杉はハゲに加えてM-1後にどんどん太っていった。
しかも、そのときには小杉はあまりハゲているということも、太りだしていたことも自分ではあまり認めようとはしなかった。
それは、「森三中」でも述べたように、
「つっこみというものは間違いを正し、ボケの面白さを視聴者にわかりやすく説明するのが役割」であり、そのため
「つっこみはそのつっこむ人自身がつっこまれないような容姿や言動や行動をしていなくてはならない」という考え方が一般的となっていて、
「ピン芸人以外の2人以上でグループを組んで活動している芸人の場合、その中にキャラクターの濃い芸人がいたとしたら、その相方はまともに見える人ではなくてはいけない」という芸人としての鉄則のようなものができた』
というものがあったため、小杉はあまりハゲているということも太りだしていたことも、自身ではあまり認めようとはしなかったのである。
その鉄則があったため、「M-1グランプリ」のネタであっても、小杉のハゲということには全く触れることはなかった。
そのため、漫才では吉田のやや屈折した世界観を持つ独特のボケに、小杉がハイテンションかつ言葉巧みに絶妙なツッコミを入れるという、2人の武器を活かしたものを披露することができるようになっても、外見的な特徴であるハゲていたり太っているという個性は、あまりバラエティー番組で披露することができなかった。
だから「ブラックマヨネーズ」だけは、2005年M-1グランプリで伝説を作ったにもかかわらず、あまり人気にはならなかったのである。

そんな状況になっていて、その後のM-1グランプリで優勝した「チュートリアル」や「サンドウィッチマン」、「NON STAYLE」などの陰に隠れていた時にブラックマヨネーズはあることの考え方を変えた。
それは、「個性は武器だ」という考えを変えたのである。
芸人はその人独自の個性を武器にして、笑いを取っていくものだと考えられることがよくある。
しかしブラックマヨネーズの考えは、「武器というものは取り外しが出来るもの」であり、吉田のやや屈折した世界観を持つ独特のボケや、小杉のハイテンションかつ言葉巧みな絶妙なつっこみなどは、それをしないようにすればできるものであるからこれらは武器ではあるが、
外見的な特徴であるブツブツであったり、ハゲて太っているという特徴は、一生付き合っていかなくてはならないものであるから、取り外しが出来ないため武器ではないという考え方に変えたのである。
つまり芸人である以上、芸風は変えることが出来るが、目に付いてしまう部分とは一生付き合っていかなくてはいけないのである。
そしてこの考えにより、小杉が劇的に進化することになり、今までのつっこみの常識を覆すことにもなるのである。

「ナインティナイン」でも述べたが、
『岡村隆史は国民的キャラクターであったため、岡村へのつっこみは司会者が務めるから、矢部浩之は何もすることがなかったが、岡村隆史よりも良い運動神経を利用してバラエティー番組のゲームコーナーで場の空気を読みながら活躍をして有名となり、岡村隆史よりも良い運動神経を利用してサッカー番組の司会を務めて、場の空気を正確に読み取る能力が認められてバラエティー番組の司会も務めていくことができるようになった』というようなことを述べた。
しかし、現在では矢部浩之のように上手くいったという芸人はほとんどなく、「じゃないほう芸人」などと括られてしまうつっこみ役の芸人が多くいる。
そのような状況になってしまったのは、
『「つっこみというものは間違いを正し、ボケの面白さを視聴者にわかりやすく説明するのが役割」であり、そのため
「つっこみはそのつっこむ人自身がつっこまれないような容姿や言動や行動をしていなくてはならない」という考え方が一般的となり、、
「ピン芸人以外の2人以上でグループを組んで活動している芸人の場合、その中にキャラクターの濃い芸人がいたとしたら、その相方はまともに見える人ではなくてはいけない」という芸人としての鉄則のようなものができた』
というナインティナインが作ったと思われる流れに、ほとんどの芸人が乗っかってしまっていたからである。
そのような状況のときに、考え方を変えたハゲとデブという個性のあるつっこみである小杉が、誰にでもいじられるキャラクターとして登場したのである。

それは他の芸人からしたら「なぜこんなことに気が付かなかったのか」と思ったはずである。
実はつっこみの力を最大限に生かすには、自らがいじられれば良かったのだ。
つまり、「つっこみはそのつっこむ人自身がつっこまれないような容姿や言動や行動をしていなくてはならない」という考え方は完全に間違いであって、
本当はつっこみの実力をアピールするために、「出川哲朗」や「岡村隆史」のように自ら国民的キャラクターとなって誰からもいじらせて、それに対して自分のキャラクターを活かしたつっこみを披露すれば、世間には実力のある「つっこみ」として認められるのである。
そんな芸人の盲点を実行していったのが小杉である。

つまり小杉は、ハゲでデブという個性で国民的キャラクターとなり、どんな人にでもいじらせ、それに対する小杉の武器であるハイテンションかつ言葉巧みな絶妙なつっこみが世間に評価されて、その相方である吉田の武器であるやや屈折した世界観を持つ独特のボケも評価されていったために、今現在では『次世代のダウンタウン』と評されるほどの実力を、全国的にもどの世代にも評価されるようになったのである。

実はこの「ブラックマヨネーズ」に注目したいのは、これから先のことである。
今まで“司会者”で、どんな人にでもいじらせながら司会をするという芸人はいないからである。
スポンサーサイト
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。